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マシン紹介 ~VS編~ [ミニ四駆]

先日、静岡ホビーショーでシャオ・グウさんより、「レースの結果だけでなくて、マシンの紹介もしてほしい」とのリクエストにありましたので、恥ずかしながら自分のマシンの紹介してみたいと思います。

それほどカツくはなく、一般的に知られている改造なので、中・上級者の方は期待しないでください。

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それでまずは、片軸モーターを使うマシンの代表格のVSシャーシのオーソドックスなマシンを紹介します。VSシャーシは登場から約18年ほど経つ古い設計のシャーシですが、いまでも公式戦の表彰台に登っているのを多く見かけます。改造ノウハウが豊富にあり、ネットで検索すると様々見つかります。金型の差も若干あるようです。軽量で適度に捻れ、少し手を入れるだけで駆動効率が上がるのがいいところですが、強度的に弱いため、よくシャーシが壊れます。

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まずは、マシン裏側にあるスイッチ。横にスライドさせることで、ターミナルを電池に接触させる仕組みなのですが、走行中、特にスタート直後やジャンプ後の着地の衝撃で、このスイッチがOFFになり、マシンが停止することがあります。

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そこで、スイッチの部品にマルチテープを巻いて太くすることで、スイッチの戻りを防止します。このマルチテープは公式戦で使用が認められていて、様々な使い方をするので必需品です。

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フロントのギヤカバーを開けたところ。このギヤカバーも衝撃で開いてしまうことがあるので、取り付け爪の裏側に2mm厚のブレーキスポンジを小さく切って貼り付けて、開かないようにしています。

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リア側の電池ターミナルは何度も電池を交換して走らせると、ターミナルと電池の接触が弱くなることがあり、接触抵抗の増加や接触不良でモーター出力が低下する原因となります。そこで、ターミナルにブレーキスポンジ(緑)や薄いタイヤゴムを挟むことで、電池とターミナルの接触を強化します。

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リアのギヤカバーを外したところ。
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このギヤカバーの取り付け爪の裏側にもブレーキスポンジを貼って、衝撃で外れるのを防ぎます。また、モーターの押さえとなる部分にもブレーキスポンジやマルチテープを重ねたものを貼ることで、動作時の駆動音を減らします。モーターの微妙な位置や向きが原因で駆動音が大きい(うるさい)と駆動効率は落ちます。マシンによってバラツキがあるので、動作中にモーターを手で押してみて感触をみながら、できるだけ駆動音が静かなマシン=駆動効率がよいマシンとなるよう、貼るものの厚みを変えて調整します。

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カウンターギヤを外したところ。駆動を前輪に伝えるプロペラシャフト(ペラシャ)のシャーシ受けの左側の部分が小さくて折れやすいです。これが折れてしまうと、ペラシャが暴れて駆動効率が落ちてしまうので、折れないようにFRPプレートの破材を接着して強化しています。

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リアステーの取り付け部。ここには「カーボン強化リヤダブルローラーステー (3点固定タイプ)」に入っている補強パーツを取り付けます。左右にローラーを付けているとはいえ、コースのサイドウォールの継ぎ目に引っ掛けたりコースアウトしたりして、
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運が悪いと、このようにリアステーの取り付け部の根元から折れてしまうためです。こうなると、もうこのシャーシでレースマシンを組むのは非常に難しくなります。

と、ここまでがVSシャーシの基本的な改造と考えています。


このマシンはさらに、

・タイヤシャフトの軸受けに620ベアリング(シールを外して脱脂したもの)+ベアリングワッシャーを使用
・カウンターギヤに(620または丸穴)ベアリング&フッ素コートギヤシャフトを使用
・リアのクラウンギヤの周辺のシャーシを加工して「抵抗抜き&ギヤポジショニング」を導入

などで、電池+モーターの能力を極力損失なくタイヤまで伝えるようにして、駆動能力を向上させています。

タイヤのシャフトはVSシャーシは60mm長のものが標準ですが、ホイールの抜き差し回数が多くなったり、上述の軸受けに620ベアリング(軸受けとしては幅広)を使うと、走行中にホイールが抜けやすくなります。そこで、ホイール穴は1.8mmのドリルで貫通させ、72mm長のブラック強化シャフトを使って、「貫通ホイール」にすることで、ホイールの脱落を防いでいます。ブラック強化シャフトは曲がっているものが多いので、シャフトチェッカーで真っ直ぐなものを選別して使用しています。

タイヤ・ホイールは様々あります。写真のマシンは5本スポークの(中径)ローハイト用ホイールに(中径)ローハイトのハードタイヤを走行中に脱落しないように両面テープを使って履かせていますが、コースによって様々選択することになります。

(中径)ローハイトタイヤの素材はノーマル、ハード、スーパーハード、ローフリクションとあります。一般に固いタイヤのほうがマシンが跳ねにくいですが、グリップは下がります。ミニ四駆の場合、早くコーナーを曲がるには、タイヤのトレッド幅を狭めて、横方向のグリップは下げるほうがいいのですが、縦方向のグリップはある程度ないと、加速性能が落ちます。また、安定性でいうと、トレッド幅は広げたほうがいいです。そして、実車と同じように、タイヤ・ホイールの重量が加速性能に影響します。タイヤの前後で素材を変えたり、オフセットトレッドタイヤを使用したりと、無加工のローハイトタイヤでもセッティングは様々です。

タイヤの軽量化とマシンを跳ねにくくするために、タイヤをあれこれ加工して履かせることがありますが、その話は本記事では割愛します(大変長くなるので)。

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無加工のシャーシと比べたところ。フロントバンパーをカット(バンパーレス)して、加工したステーをシャーシにロックナットで固定し、ローラーステーを組み付けています。YouTubeで製作方法が紹介されています。

こうすることで、マシンが軽量化され、ローラーの選択や設置の自由度が上がります。ちなみに、マシン前後のローラー間の距離(通称ローラーベース)は、短いほうがコーナーを早く抜けられ、長いほうが直進性が上がりますが、好みのローラーベースに設定できるわけです。

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フロントの「19mmオールアルミベアリングローラー」は、車軸の少し上あたりの高さに、水平より少し前斜めに取り付けています。これをダウンスラストといい、元々のVSシャーシのフロントバンパーには6度ほど付いています。パンパーレスにすると、なんらかの方法でこのダウンスラストを付ける必要がありますが、スラスト角が浅いとコーナーでコースアウトしやくなり、逆に深いとコーナーリングが遅くなります。なので、私は角度管理が確実な「ローラー角度調整プレートセット」を使っています(嫌う人が多いですが)。

また、マシンが高速でコーナーを曲がる際、ローラーにはかなり強い力が加わるので、取り付けにはビスより強度の高い「キャップスクリュー」を使い、スタビライザー(スタビ)には小径ホイールを加工したものを使っています。

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スロープの上り下りやドラゴンバックなどのジャンプセクションで、着地時にマシンが跳ねないようにマスダンパー(マスダン)を取り付けます。ミニ四駆には基本サスペンションがありませんので、着地した瞬間にマシンが跳ね上がる代わりに、遊動式のおもりを跳ねさせることで、マシンを制振させるものです。「ニュートンの振り子」を想像すると原理の理解が早いでしょう。写真はマスダンやプレート類を利用して、ボディと一体化したユニットです。マスダン単体のみより制振性に優れ、「ボディ提灯」とか「ヒクオ」などと呼ばれています。写真のボディは、軽量のクリアボディをポリカーボネート用スプレー(ラメフレークとブラック)で塗装し、ステッカーを貼ったものです。

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このユニットをスライドダンパー用のスプリングとメタル軸受け、ロックナットでシャーシに取り付けることで、着地時にユニットが上へ開くことで衝撃を逃がし、マシンを跳ねにくくします。最近は、ユニットをフロント側に取り付けて写真とは反対側に開く「フロント提灯」が流行っていますが、制振効果を得るための調整が難しいとの意見もあるようです。

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リアにはFRPサブプレートセットとマルチセッティングウエイトで作った「東北ダンパー」と呼ばれる制振機構を取り付けています。

マシンの着地の様子については、タミヤからスロー映像がYouTubeに上がっています。


こちらはフロントのマスダンとスライドダンパーの動きがよくわかる、オンボードカメラ映像です。


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最後にブレーキです。ブレーキスポンジの説明書の図にあるように、ミニ四駆のブレーキはスロープやバンクの上りまたは下りで路面にスポンジを当ててマシンを減速させます。ブレーキスポンジは効き具合で色分けされています。
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また、スポンジを貼る位置、高さ、幅、マシン重量でも効き具合が変わるため、ブレーキの設定はレースの勝敗に大きく影響します。そのためか、セッティングのノウハウはあまり公開されません。写真のようにブレーキをタイヤの近くの「スロープでは効くがバンクでは効かない位置・高さ」が判るようになると、少し有利になります。

ブレーキを強く効かせれば完走率は上がりますが、当然速度は落ちます。ただ、トルク重視のモーターやギヤ比にすれば、減速後の速度回復が早くてきびきびした走行ができるため、ブレーキだけで考えず、マシンのトータルバランスで勝つという発想も必要だったりします。



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そらへい

単にミニ四駆と言っても、
工夫するところが何カ所もあって
奥が深いですね。
かっこよくて、機械好きの男の子の心をくすぐるアイテムですね。
パソコンいじりとか、オーディオいじりとか
共通するものを感じました。
by そらへい (2017-05-28 19:53) 

ケンタパパ

そらへいさん、コメントいただきありがとうございます!
私も3年前に始めたころは知らないことばかりで、ここまで奥が深いホビーとは全く思いませんでした。
レースで勝つためには、様々いじることが必要で、クルマいじりやバイクいじりが好きな方が多いですが、レーサーは男性ばかりでなく、女性も結構強い方々がいらっしゃいます。
by ケンタパパ (2017-05-28 22:01) 

シャオ・グウ

リクエストに応えて頂いてありがとうございますm(__)m

凄いの一言ですね。

今回の記事は分かり易くてよかったと思います。

ミニ四駆に全く興味が無かったころの、ケンタパパさんが初めて自分用のキットに触った時の表情を憶えているので、人間って面白い生き物だな、変われば変わるもんだな、と改めて思いました。

また、機会があったらどこか遊びに行きましょう!

では!
by シャオ・グウ (2017-05-29 00:05) 

ケンタパパ

シャオ・グウさん、コメントいただきありがとうございます!

読んでいただいて、ありがとうございます。
私もアラフォーになってからミニ四駆を始めるとはまさか思いませんでしたが、大人が持っている知識や技術をマシンに投入できることと、「レースに出て勝負する」というのが楽しみになりました。

実車でこれをやるには、かなり経済的に余裕がないとできませんし、ミニ四駆のいいところは、カットしたパーツは捨てずにとっておいて別の用途に利用したり、一度作ったマシンをバラして再利用できたりと、エコな面もあり、「知恵と工夫」が試されるホビーでもあると思います。

こちらこそ、また遊んでください!
by ケンタパパ (2017-05-29 08:39) 

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